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それぞれの優しさ_11

エロです。
まあ、そんなにエロくないですけど。



―*―*―*―



フェイトさんは横向きの体勢で、あたしの髪を梳くようにして頭を撫でながら
何度も何度も、触れるだけの口付けをしてきた。
おでこに、瞼に、頬に、唇に……。
頭を撫でてくれていた手があたしの肩から腕を撫でる。

「もう、泣いてない?」

言いながら少し顔を離して覗き込んでくる。

「あ……はぃ……」

あたしは小さく、それしか答えられなかった。

「良かった」

安心したように目を細めると、またキスをしてくれた。

「私が、側にいるよ」

もう一度そう言う紅い瞳は、とても深く、とても優しい。
その瞳に見つめられるだけで、幸せな気持ちになれた。

今フェイトさんはあたしを見てくれてる……そう思ったとき、舌が滑り込んできた。

「んん……は……ぁ」

フェイトさんの舌があたしの口内を探ってくる。
最初は遠慮がちだったあたしも、気づけばフェイトさんの舌を追い求めて……
お互いの舌と唾液が絡み合い、ピチャピチャといやらしい音を立てる。

口付けながらフェイトさんの左手はあたしの頭を抱き寄せ
右手はうなじから、背中をつつとたどってくる。

「っあ……」

ゾワリと、あたしの全身を快感が駆け抜け、思わず仰け反りそうになった。

あたしの反応にクスリと笑って、フェイトさんが覆いかぶさってきて
首筋にキスをしてくる。

「あ……ぁ……」

首筋を舐めながら相変わらず右手は背中をたどっていて……
すごく気持ち良くて、フェイトさんの熱い息づかいを耳元で感じて……
あたしは自分がフェイトさんを欲しているんだと、気がついた。
首筋に当てられる舌が、耳を舐められる水音が、あたしを興奮させる。

もう、フェイトさんのことしか考えていなかった。
直前まで頭を占めていた、なのはさんのことなど完全にどこかへいってしまって……

ただフェイトさんを見つめ、その首に腕を回した。

背中をたどっていた右手が、首筋から鎖骨をたどり 
あたしの胸に優しく触れた。

「きゃっ……」

思わず声を出してしまったあたしの顔を覗き込みながら

「いや……?」

フェイトさんが尋ねてくる。

「いやじゃない、です……」

そう言うあたしに満足そうに微笑んだフェイトさんはそのままあたしの胸を撫でる。
前ボタンのパジャマを着ていたあたしはブラはつけていなかった。
優しく胸を撫でるフェイトさんの手のひらの熱が伝わってくる。

「もう、こんなに……なってる……」

フェイトさんの手がパジャマ越しにあたしの胸の先端に触れて

「んんっ……ぁ……」

そこはパジャマ越しでもわかるくらいすでに硬くなっていて
自分がこの先のことを期待していると思われるのではないかと、恥ずかしくなった。

でも、先端を触るか触らないかで優しく撫で続けられ……
それを焦れったく感じる自分は、確かに期待しているのだと思い知らされた。

「脱がせて、いいかな?」

フェイトさんに聞かれて、恥ずかしくて目を逸らしながら頷いた。

「顔、真っ赤だよ……かわいい……」
「そ、そんなことっ……」

こんなときでも、あたしをからかうのを忘れないのか……。
そんなことをふと考えたが、その優しいまなざしは真剣で。
本当にそう思っていてくれているんだと、嬉しくなってしまった。

フェイトさんがひとつひとつ、あたしのボタンをはずしていく。
全部はずし終わり、腕を抜かれ……

「下も、脱がすね……」

パジャマの下に手がかかり、するりと足から抜き取られ、フェイトさんの手でパジャマはベッドの下に落とされた。
ショーツ1枚の姿になってしまった自分が恥ずかしくて……思わず胸を隠す。

「隠さないで……見せて……?」

そのあたしの手をとって、指先に口付けをしてくれる。

この人は、行為の最中でさえ、どこまでも優しいんだ……。
頭の片隅でそんなことを考えつつ、あたしは胸を隠していた手をはずした。

「キレイだね……」

言われて、また赤面しそうになった。
でも、それよりも……フェイトさんにも脱いで欲しかった。

と言ってもすでに下着姿ではあるんだけど……
あらためてフェイトさんの姿を見て、ドキドキした。

「あの……フェイトさんも……」

思い切って言うと、フェイトさんがクスリと笑って

「はずしてくれる?」

なんて言ってくるから、あたしは頷いてフェイトさんの背中に手を回した。
フェイトさんのホックをはずすのは2度目……だな。

ホックをはずすと、フェイトさんの豊かな胸があたしの目の前に晒された。
フェイトさんの方が断然キレイじゃないか……。
目に入ったピンク色の先端があたしの欲望に火をつける。
思わず、手を伸ばして下からすくい上げるように少しだけ触れた。

「ぁん…………ダメだよ、私が、してあげる」

艶っぽい声を聞くだけで全身が痺れる。
ああ……この声だけでどうにかなってしまいそうだ。

フェイトさんが抱きしめてくる。
素肌同士で触れる感触が心地よくて……恥ずかしくて……。

「ん……ふぅ……」

濃厚なキスをしながらフェイトさんの右手があたしの何もつけていない胸に触れる。。
全体を撫でるようにしながら、ときどき揉みあげるような動きで……
その手の熱さに心地良さを感じつつ
硬くなった先端に触れて欲しいという欲望が湧いてきて

「んん……んぅ……」

声を上げてしまいそうになるけど、フェイトさんに唇を塞がれていてそれはできない。
恥ずかしい声を上げずに済んで、良かったかもしれない……。
なんて思っていたら、フェイトさんはそんなあたしに気づいたのか唇を離し

「ごめんね、かわいい声、聞きたいな」

なんて言われて。


「い……やです……恥ずかしい……」

答えた瞬間
「んあぁっ…!」

胸の先端を指先で摘まれた。

「ほら、かわいい……恥ずかしがることなんて無いのに」

……そう言われることが恥ずかしいのに
頬が熱を持ったのを感じ、思わず目を逸らしてしまう。

「ふふ……もう余計なこと言わないから……たくさん感じて……」

左胸の先端をいじられ、どうしようもなく感じてしまう。
同時にあたしの右胸の先端に……フェイトさんが口付けてくる。

「ああっ……あ……っ」

舌先でチロチロと舐めたり、唇で挟んだり、時々舌全体を使って押すようにされて
気持ちよすぎてどうにかなってしまいそうだ。

「んあっ……っはぁ……フェイトさ……ん」

名前を呼んだあたしにもう一度口付けをくれながら
フェイトさんの右手が胸から脇腹、腰をたどって、太ももを撫でさする。

そして……あたしの下着へとたどり着いた。
下着越しに割れ目をなぞられ……その部分が熱を持っていることに気づき顔が熱くなる。

「あっ……ぃやっ…………」

思わず声を上げてしまった。
フェイトさんは一瞬だけ躊躇して

「あ……ごめんね、下着、脱がすね」

なんて見当違いなことを言ってくる……そんなところも、愛しく感じてしまう。

気づいたらフェイトさんの手が下着にかかり、脱がされていた。
あたしの熱くなっている部分と下着との間が透明な糸で繋がる。
フェイトさんにいやらしい子だと思われそうで……恥ずかしくて……

「もうこんなに感じてくれてるんだね……嬉しいよ」

そんなことを言われて、余計に恥ずかしくて泣きそうになる。

「ふふ……大丈夫、私もほら」

手を取られて、いつの間にか自分も下着を脱いでいたフェイトさんの足の間に導かれた。
そこは既に十分に潤っていた。

「あ……あの……」

フェイトさんのそこに触れてしまったことを恥ずかしく感じると同時に
フェイトさんも感じてくれている……それがわかって嬉しかった。

「うん、同じ、だから……恥ずかしがらないで」

顔を赤くしてそう言ってくれるフェイトさんが愛しくて、その優しさが嬉しくて

「フェイトさん……触って……ください」

さっきまでのあたしだったら絶対に言えなかった言葉を言ってしまった。

「きゃ……ぁっ……」

フェイトさんの右手の指があたしの濡れたそこに触れる。
入り口の周りを優しく、丁寧に指が蠢く。

「んんっ……っあ……はぁ……」

同時にあたしの胸を舐めながらやわやわと揉んでくる。
気持ち良すぎて身を捩ってしまう。

そして、その指があたしの一番敏感な突起に触れた瞬間
全身を痺れるような快感が走り、身体が跳ね上がった。

「あっ! ……ああっ……ん……ぁ」

フェイトさんはあたしの入り口のぬめりを突起に擦り付けるようにして滑りを良くし
指を左右に、ときには円を描くように優しく動かす。

「ああっ……ふっ……んんっ……」

「気持ち……いい……?」

胸を舐めながら上目使いで尋ねてくるフェイトさんに
あたしはコクコクと頷くことしかできず……
そんなあたしに満足したのか……フェイトさんの指が、あたしの中に滑り込んできた。

「んああっっ…………」

最初は浅いところで探るように動いていた指が、徐々に奥へと入れられて。
ゆっくりと、出し入れされる。

「んぁっ! ん……っ、んん……あ……フェイト……さん……」

気持ち良すぎて、どうにかなりそうで、胸元にあるフェイトさんの頭を抱える。
フェイトさんはちょっと苦しそうにあたしの腕から抜け出して
もう何度目かわからない口付けをくれる。

「もっと……気持ちよくなって」

そう言うと、唇を首筋から胸、胸からお腹へと移動させていく。
その間も右手はずっとあたしの中で蠢いていて
気持ち良すぎてその唇の動きが何を意味するのかなど考えていなくて。

気づいたときにはフェイトさんの顔があたしの足の間にあった……。

あたしのそこを見つめ、顔を近づけようとするフェイトさんに気づき

「きゃっ……フェ、フェイトさん……そこは……」

思わずフェイトさんの頭を両手で押さえつけてしまった。

「キレイだよ……全部、見せて……もっと感じて……?」

艶のある声でそんなこと言われたら、もう抵抗などできるわけがない。
本当に恥ずかしくて死にそうだったけれど……。
あたしはフェイトさんの唇がそこに触れるのを受け入れてしまった。

感じすぎて既にその存在を主張している蕾に口付けられる。
同時にあたしの中にあった指は2本に増やされ、最奥まで入り壁を刺激する……。
フェイトさんの舌が蕾を舐める。

「ああ!……はぁぁ……ん……」

舌で優しく、ときに強く刺激され、吸われて、全身が震える。
そして指があたしの奥で少し曲げられお腹側を刺激されて……

「……ぅああ……あ……は…………あああっ……」

気持ち良すぎて何も考えられなくなる。
シーツを握り締め、無意識のうちにフェイトさんの顔に腰を押し付けてしまう。

だんだん頭の中が真っ白になって……フェイトさんのことしか考えられなくなって。
あたしが限界に近づいたことを感じたのか、フェイトさんが

「いいよ……イって…………」

そう言って、指と舌の動きが早くなる。

「い……やです、いや……フェイトさ……ん、こっちに……来て……」

思考が停止しそうになりながらも思った。
イクなら、フェイトさんの、愛しい人の顔を見ながらイキたいと。

あたしの気持ちを察したのか、フェイトさんの紅い瞳が目の前に戻ってきて。
優しく唇にキスしてくれて。
指の動きはさらに激しくなって……

「ああっ……あっ……ふぅ……っあ……フェイトさんっ……」

あたしの中で中指と薬指を動かしながら、フェイトさんの親指が蕾を強く押した瞬間。

「ティアナ…………」

優しく名前を呼ばれて

「んあぁぁぁ!!」

あたしは、高みに昇りつめた。



***



「はぁ……ぁ……」

身体に力が入らない……絶頂の余韻に身をゆだねる。
フェイトさんがあたしの頭を撫でながら抱きしめてくれる。
その温もりが優しすぎて……愛しくて……そして悲しかった。

わかっていた。
あたしを抱いたのは、今はまだ幻術の影響があるからだってこと。
愛されているわけでは無い。
わかっていたのに……なぜあたしは抱かれてしまったんだろう。
今さら……後悔しても遅い。

いや、後悔などしない。
だって、あたしの名前を呼んでくれた。
紅い瞳は、あたしを見ていてくれていた……。

フェイトさんは明日になればたぶん忘れてしまっているんだろう。
……あたしは忘れない、忘れたくない。
あの瞬間、確かにあたし達はお互いを見つめていた。

フェイトさんを、なのはさんを裏切ってしまったという気持ちが無いわけではない。
でも、あの幸せな瞬間を知ることができた。
自分の胸だけにしまっておけばいいんだ。
この思いを一生口に出すことは無いから……自分の胸だけに……。


「落ち着いた? もう、泣かない?」

優しく、尋ねてくれる。

「大丈夫……です」

愛しい瞳に、返事をする。

こんな日がくるなんて……
例えかりそめでも、今この瞬間はあたしの人生でもっとも幸せなひとときだ。


優しくあたしを抱きしめながら、耳元でフェイトさんがつぶやく。


「そう、良かった……もう、寂しくないね……なのは……」



あたしは人生でもっとも残酷なセリフを聞きながら

眠りについてしまうフェイトさんの顔が滲んでいくのをただ見つめていた……。
【web拍手】   

by sknow | 2008-10-20 09:40 | SS:それぞれの優しさ(長編/完結)

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