苦くて甘い
2009年 05月 22日
いちおー18禁にしてみますので読んでいただける場合はご注意をお願いします。
で、でも、いかになのはを喘がせないか…みたいな感じで書いたのと、いろいろ試しながら書いたのでテンポとか地の文が微妙な気もするんですが、まあ私の書くSSなので、こんなものですw
ていうかはやての喋り方…本当に困ります。
はやては焦っていた。
良かれと思ってやったことが確実に裏目に出てしまったから。
真っ赤な顔をして俯くなのは。
明らかに怒った目をしてはやてを見るフェイト。
少しだけ顔をニヤつかせている数名の男性局員。
そしてはやては……これ以上無いくらいに「やってもうたー」という顔をしていた。
遡ること数分前。
はやてとフェイトの視界の先には、なのはと男性局員の姿があった。
六課代表として3人で会議に出席し終えたはやて、フェイト、なのはの3人。
後はちょっと打合せをしてそれぞれ自分の職場に戻って帰る準備をするだけという時間帯。
打合せ前にちょっと休憩しようかとラウンジスペースに立ち寄ったときのこと。
なのはが男性局員に「ちょっとお時間いいですか」と声をかけられ、2人から少し離れたスペースで話をすることになった。
フェイトの顔を見て、あ~機嫌悪そうやなぁと思うはやて。
その理由はただの嫉妬であることはわかっていた。
なぜなら、明らかにデートの誘いでも受けているらしいなのはの男性局員に対する態度が、誰が見ても少し頬を染めて嬉しそうな感じにしか見えなかったから。
普段のなのはならあんな態度は取らない、なのに今日に限ってあんな態度なのは……。
なのはもまた、嫉妬からの行動であることをはやては知っている。
原因は簡単、フェイトがもて過ぎるからだった。
普段からフェイトは男性女性関わらず、手紙やらデートやらの誘いをよく受けている。
綺麗で優しくて仕事も出来るエリート執務官であるフェイトだから、そういう誘いがあるのは頷けるのだが……やはりそれはなのはにとってはおもしろくない。
はやてからすると、なのは一筋であるフェイトはそんな誘いなど完全にスルーしているようにしか見えないのだが……何せ人当たりが良すぎるのが玉に瑕。
そして、フェイトの鈍感なところがそれに輪をかけることになり、誘いは断り続けているにも関わらず、寄ってくる人が絶えないという悪循環。
はやてはつい最近そのことについてなのはから相談を受けていた。
『なんかもっとビシッと、その後寄り付かなくなるくらいにハッキリ断ってくれたらいいのに』
そう言うなのはに、まあそれがフェイトちゃんの性分だから仕方ないやろと答えるしかなかったのだが。
――なのはちゃん、だからってそんな態度をフェイトちゃんに見せるのはあかんて。
なのはも可愛いのだからもてないわけではないのだが……何せ管理局のエースオブエースと言われているゆえに、もてると言うよりも憧れの対象であることが多いのか、あまりそういう誘いは受けないらしい。
その相談を受けたときに『たまにはフェイトちゃんにもやきもち焼いてもらってわたしの気持ちをわかってもらいたい』などと言っていたのを思い出す。
――いや~だからってあからさま過ぎやろなのはちゃん
もちろんなのはだってフェイト一筋だから、誘いを断るには違いないのだが……ちょっとやり過ぎ感があるのは否めない、そう思うはやてだった。
「フェイトちゃん? なんか顔が怖いんやけど?」
「そんなことないよ、それよりはやて何か飲む?」
「あーそやね、えーと、コーヒーがええかな、砂糖入りのやつ」
「珍しいね、いつもブラックなのに」
「うん、何かこれから苦~い思いをしそうな気がしてな……」
はやては「へんなはやて……」と言いながらガタンと自販機から零れ落ちてきた缶コーヒーを手渡すフェイトに苦笑いを返した。
ほんとにこの2人は……普段はすごく大人で、お互いを信頼してて嫉妬なんかとは無縁なのに、どうしてこういうときはタイミングが合うのか。
いや、こういうとき“も”タイミングが合うというのが正解か。
――長い付き合いや、こういうときはいつも私がフォローしてきたんやし
――いっちょ今日もなんとか悪い雰囲気にならないようにせなあかんよね
10年来の親友たちのために、今日も一肌脱ごうとするはやてだったが……
――でもいっつもフォローしてたら割に合わんし、たまには私もいい思いせんとな
普段のはやてなら穏便に言葉でフォローするところなのだが、余計なことを考えたのが運の尽きだった。
2人のところに戻ってきたなのはは、わざとらし過ぎるくらいに嬉しそうな顔をしていた。
「随分嬉しそうなんだね、デートのお誘い?」
「別に嬉しそうになんかしてないもん」
「デートの誘いっていうのは否定しないんだ?」
「それはそうだけど……でも断ったし、お誘いならフェイトちゃんだっていつも――」
――あ~ほら、人前だから喧嘩やないけどお互いに棘があるで2人とも
――ここは和ませついでに久しぶりに……
はやてとしてはそれをすることによって、
なのはが「もう~はやてちゃんったら!」と笑い、
フェイトが「はやて!人前で恥ずかしいことしちゃだめだよ」なんて嗜めて、
お互いへの嫉妬はどこかに行く、そして場が和む、そういう計画だった。
……ついでに自分もいい思いをしてやろうと考えたのだが。
「あンっ!」
なのはが漏らしたピンク色の声に、計画は脆くも崩れ去ったのだった。
場所と時間が悪かった。
ここは休憩する人が誰でも入れるラウンジ、しかも仕事が終わって帰る人も多い時間帯だから周りにはそれなりに人がいた。
局員たちも周りの会話なんて気にしないのが普通だが、そんな場所でこんなピンク色の声を上げれば、それは目立つというものだ。
――や、やばいですねこれ……
――ちょっと久しぶりになのはちゃんのおっぱいを触ろうとしただけなんやけどな
――手元が狂ってもうたのよ、別にピンポイントでつまもうとか決してそんな
――それにしてもなのはちゃん、敏感すぎやろ
――あ、フェイトちゃん怒っとる……
――そらそうやねこんな大勢になのはちゃんのあんな声聞かせてしもたらね
一瞬で頭の中にいろんな考えが巡るが……しんと静まり返った周囲にどのようにフォローすべきかまでは思い浮かばないはやて。
なのはの胸からゆっくりと手を離し、えへへと引きつり笑いを浮かべるしかなかった。
「はやて、打合せは明日でいいよね」
フェイトがはやてにニッコリと微笑む。
「そ、そうやね」
なのはの胸を触ったそのままの形を維持しながら空中に彷徨わせてる手を下ろすことも出来ずに、肯定するはやて。
「じゃあなのは、行こうか?」
「あ、ちょっと、フェイトちゃん……」
なのはの手を握り、どこかへと連れ去るフェイトは素早かった。
「あ、そうやね、フォローっていうかこの場を離れるのが一番やね。
さすがフェイトちゃん……ってフェイトちゃん怒ってた! 私が悪いんかっ!?
……いや、私が悪いですね、ごめんななのはちゃん」
フェイトとなのはが立ち去った後に、残されたはやては1人でノリツッコミをしつつ、その後のなのはの身を案じるしかなかった。
***
ラウンジからわりと近い場所に自分の執務室があったのを幸いとばかりに、フェイトはスタスタと歩いていく。
前だけを見ているフェイトからは表情が読み取れない。
――フェイトちゃん怒ってる……やり過ぎだったかなやっぱり
――やきもちを焼かせたいあまりに、他の人にいい顔なんかするんじゃなかったな
そこは反省する気持があったなのはだが、人前であんな声を上げてしまったのは自分のせいではないと、フェイトに文句を言いたいとも思っていた。
なのはの手を取り歩く途中、執務室にはシャーリーがいると思い出したフェイトは、隣の書庫への扉を開けてそこになのはを連れ込む。
「フェイトちゃん、こんなところに連れてきてどう――」
フェイトは入り口のドアになのはの背中を押し付け、突然唇を塞いだ。
そのまま強引に舌を差し入れる。
「ん……やだ、ばかっ仕事戻んなきゃ」
「はやてには明日でいいって確認とったし、もう仕事は終わりだよ」
肩を押して抵抗するなのはに構わずに、首筋に顔を埋めながら制服の前ボタンとベルトを素早くはずす。
「や……やめて」
「やめない」
フェイトは首筋に舌を這わせながらジャケットの前を肌蹴させると、インナーを巻くり上げてそのまま下着も上にずらした。
外気に晒されたなのはの乳房に躊躇無く手を伸ばして揉みあげる。
「やだよ……フェイトちゃ……」
なのはが言うのも構わずに、顔を下にずらしていって既に立ち上がっていた先端に口を付けた。
「ばか、だめ、人が来る、やだやだ」
相変わらず否定の言葉を繰り返すなのはだったが、力ではフェイトには敵わない。
「大丈夫、執務室もここも完全防音」
――やなのに、どうしよう、カラダが反応して……フェイトちゃんのばか……
「もうトロトロだね……」
「んっ……ばか、ばか、知らない……」
いつの間にかスカートの中に入り込んでいたフェイトの手がなのはの下着を膝まで引き下ろし、指先を中心に滑らせる。
フェイトが口にしたとおり、そこは既にトロトロの蜜で溢れていた。
同じ目線まで戻ったフェイトは、なのはの耳元で浅く息を吐きながら指を一気になのはの中に沈めた。
「んんっ……」
目じりに涙を浮かべながら、だがしかし恍惚の表情を浮かべるなのはに、フェイトは興奮を抑えられなかった。
自分の身体ごとなのはに寄りかかっているので、更になのはを壁に押し付けることになる。
「なのは、私を好きでしょ?」
「やだ、ばか、抜いて……」
「言ってよ」
沈めている指を、中で動かす。
「好きでしょ?」
「す……すき、ばかぁ、好き……」
「そっか……」
「あ、や、抜いちゃだめ、だめ、だっこして……」
フェイトが片手でなのはを抱き締める。
「も、だめ……立ってられな……」
ずり落ちそうになるなのはを抱き締める手に力を込め、中にある指を下から支えるようにフェイトは自身の足をなのはの足の間に割り入れた。
太腿を揺らして更になのはを突き上げる。
「ん……っ!」
太腿に押し上げられたフェイトの掌がなのはの敏感な蕾を刺激した瞬間、なのはは力尽きてフェイトにもたれかかった。
「ごめんなさい……」
制服の乱れを整えた後、背の低い棚に2人で浅く腰掛けながらフェイトの肩にもたれたなのはが、小さな声で呟く。
「ん~? なにが?」
もたれてきたなのはに手を回して、優しく髪を撫でながら答えるフェイトの言い方が思ったより軽いものだったので、なのはは肩透かしを喰らったような気になる。
「怒ってないの?」
「なんで? ちょっとなのはの色っぽい声にクラっときてイジメたくなっただけだよ」
そう言ってニコリと笑ったフェイトに、なのはの顔は熱くなる。
「もうっ! 怒ってた! 怖かったよばかばか! ばかっ! ひどいっ!」
フェイトから身体を離し、ぽかぽかと叩く。
「いたたっ……あはは、ごめん、ごめんってば」
「ごめんじゃないよ、ばかっ!」
「んーじゃあ怒った方が良かった? 私以外に笑いかけないで! とか?」
「う……ずるい……ちょっとは妬いてくれないの?」
「妬いてるよ。でもさっき私のこと好きだって言ってくれた」
「そ、それもずるい……フェイトちゃんだって、わたしのこと好きでしょ?」
「もちろん、愛してる」
そう言って軽くキスを落とすフェイトに、なのはは満足そうに笑いかける。
「えへ……ありがとう」
「なのはは言ってくれないの?」
「うん、言わなーい」
「え? なんで!?」
「いやだって言ったのに、こんなとこでシたから……」
「う……ごめん」
「ん、いいよ……帰ったら家のベッドでたくさん言ってあげる」
「そっか、ならいいかな」
じゃあ早く帰ろうか、そう言ってなのはを立ち上がらせたフェイトは書庫を出る直前、なのはの耳元で囁く。
「こんなところなのに、なのは、すごかったね……」
先ほどの痴態を思い出して顔を真っ赤にしたなのはが答える。
「ばか……」
***
その頃、職場に戻ったはやてはデスクで呟いていた。
「なのはちゃん、フェイトちゃんに怒られてるんやろなー。
ま、普段あんだけ惚気を聞いてやってるんやからたまには苦い思いしとればいいよ」
日頃の惚気に多少呆れたところのあったはやてとしては、そんな2人を想像してにやけてしまう。
ふと、デスクの端にフェイトが買ってくれた缶コーヒーがあるのが目に入る。
――さっきは冷や汗かいたしな、喉も渇くってもんやね。
カシュッと乾いた音を立ててプルを開け、一気に喉を潤す。
「うおっ! 甘っ! 甘過ぎる! なんやのこれ」
思いがけない甘さに噴き出しそうになるのを堪えながら、その頃のフェイトとなのはがそれ以上に甘い空気になっていることなど知るよしもないはやてだった。
Fin
―*―*―*――*―*―*―
「ばか」って言いすぎ?www
実はちょっと元ネタがありますコレ。
by sknow | 2009-05-22 23:54 | SS:苦くて甘い(短編)